まだ火照ってるような身体を起こしながら。
ぼんやり話し始めた。
「XANXUS」
「どうした?」
「おれ・・XANXUSの隣にいてもいいのかな」
まるで独り言のように呟く。
聞いて欲しいのだが、複雑な心境だからこそ呟くように言うしかなかった。
「今更何を言い出す気だ?てめえが不安になることは何もないと思ったが」
「ん・・・うん」
曖昧な返事にXANXUSも不安な表情を見せる。
「俺は俺の意思でてめえを選んだ。てめえはそうじゃねえのか?」
「おれだって、自分でXANXUSを選んだ、そうだよ選んだんだよ。」
「じゃあいいじゃねえか、何の問題がある」
まだ少し不安な表情をするXANXUSに綱吉は笑った。
傍から見るとほぼ変わらない表情も、やっと綱吉にはわかるようになったのだった。
「そんな不安な顔しないで。何にも問題はないんだ」
だっておれ、今すごく幸せだから。
「俺もそう思ってたところだ、だからこそ不安にもなる」
てめえがいなくなったら、なんて思ったらな。
依存ではない、でもそれだけお互い好きだから。
多すぎる幸せは、なぜその裏に不安を抱えることになるのだろうか。
「もしかしたら、違う運命、だったのかもしれないんだよね・・・・」
今日聞いてしまった御伽話は、多分スクアーロ自身の話なんだと思う。
もし、スクアーロが女として過ごしていたら。
もし、スクアーロが想いを伝える道を選んでいたら。
もし、スクアーロがXANXUSとの恋を実らせていたら。
もし、今の自分がスクアーロの立場になってしまっていたら・・・・。
「XANXUS、おれXANXUSが好き。大好きだよ」
「綱吉」
XANXUSがキスをする。
それを受け入れる。
おれは今のスクアーロのようにあきらめただろうか。
考えれば考えるほど、
スクアーロの覚悟のすごさを感じた。
同時に、悲しい人だとも思った。
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